「眠りの深さ」と高齢者の断酒のすすめ

07/06/2026

SLEEP & SOBRIETY

飲酒と
「眠りの深さ」の関係

〜高齢者の断酒のすすめ

Yoshio Maki

酒を飲むと寝つきがよくなる・・長年そう信じていた。

酒を飲むと寝つきがよくなる・・長年そう信じて飲んでたけど、嘘でした。

近年のスタディ(研究)で、酒(アルコール)は眠りを浅くし、夜中の目覚める回数を増やし、睡眠の質を確実に下げる事を知りました。

酒と睡眠の相性は、酒を飲まないと寝むれない、ぢゃなくて、酒を飲むから眠れないが本当でした。

一晩眠れば翌朝には抜けたアルコールが、還暦あたりから、目覚めがイマイチ。

アルコールが体に残るようになり「自分の脳と内臓は、昔のように酒を歓迎していないのだな・・」と体感するようになりました。

で、下記の著名な医師やジャーナリストたちが、異口同音に「酒は体にとってはっきり危険だ」と断言・・

その道の専門家諸氏がここまで言うのなら、と・・、ソバーキュリアス(Sober Curious)な生活習慣を試してみることにしました。

眠り

27本の研究を統合した解析によれば、お酒は寝つきこそ早めても、その後の眠りを浅く断片的にし、記憶や感情の整理に欠かせないレム睡眠を減らす。しかもワイン2杯程度の少量でもレム睡眠は乱れ、量が増えるほど悪化する。「寝酒」はむしろ睡眠の質を下げるのだ。(参照:Sleep Medicine Reviews 2024/27研究のメタ分析)
スタンフォード大学の神経科学者アンドリュー・ヒューバーマン博士は、人気の科学ポッドキャストで、アルコールが睡眠の質を損ない、夜の後半に何度も目を覚まさせると指摘したうえで、「最も望ましい飲酒量は、週ゼロ杯だろう」と明言している。(参照:Huberman Lab Podcast #86, 2022年8月)
長寿医学で知られる医師ピーター・アティアも、世界的ベストセラー『Outlive』で「アルコールは栄養面でも健康面でも何の役にも立たない。ただ管理を要する快楽にすぎない」と述べ、「どんな少量でも体にいいわけではない」と言い切っている。とりわけ就寝前の飲酒に注意を促す。(参照:Peter Attia『Outlive』2023年)
飲酒の害は睡眠だけにとどまらない。アメリカ最大のがん研究機関である米国がん研究学会(AACR)の2024年の報告書は、飲酒をアメリカの全がんの5%超の原因とし、肥満・喫煙に次ぐ第3位のリスク要因と位置づけている。飲酒を減らす・やめることで、関連がんのリスクは8%下がるという。(参照:AACR Cancer Progress Report 2024)

 

ソバーキュリアスな生活で眠りが、深くなった

夜中に必ず(排尿で)目が覚めるのは、高齢者の宿命だと思っていましたが・・

飲酒の習慣をやめてから2ヶ月目ぐらいから、朝方まで5〜6時間、ストレートで眠れる日が増えました。(トイレ無し)

酒は寝つきを助けても眠りを壊し、頻尿の原因であったかも知れません。翌朝の排尿はもとより、何年も忘れていた翌朝の「スッキリ感」は最高です。

手首の相棒 Apple Watch は、嘘をつかない

Apple WatchでAutoSleepというアプリを使って、自分の「深い眠り」のデータを記録しています。

毎朝、前の晩の眠りが深い睡眠・浅い睡眠・レム睡眠・目覚めに色分けされて表示されます。

冠婚葬祭、訪日の時に飲酒した夜などは、眠った気でいたが、じつは体をろくに休めていなかったと、数字が静かに教えてくれます。

Apple Watchに表示された眠りのグラフが正直すぎて、「やっぱりな・・」と納得する。この「睡眠の質の可視化」にはとても重宝しています。

Apple Watch 11 パグ

高齢者にやさしい〜Apple Watchの見守り機能

長年、Apple Watchを着けてきて、「眠りの記録」以外に助けられていることがいくつかあります。

心臓の異変を教えてくれる

脈の乱れや、速すぎる・遅すぎる鼓動を感じ取ると、その場で知らせてくれます。手首で心電図を取り、そのまま主治医に見せることもできます。

転倒を感知して助けを呼ぶ

家の中で転んで動けなくなっても、強い衝撃を感じ取り、しばらく返事がなければ、自分で電話できなくても自動で救急(911)に通報し、家族に居場所まで知らせてくれます。
転倒時にApple Watchの感知機能に応答しないでいると、マジで救急隊が来ますので、ご注意を!

高血圧の兆しを拾う:

最近の機種は、何週間ぶんもの心拍の記録(手動で入力)から高血圧の傾向を見つけ、「一度お医者さんに相談を・・」とそっと促してくれます。

残念ながら、現時点でApple Watch単体で血圧や血糖値を「測定」できるアプリは、医療的に信頼できるものはありません。(参照元: American Heart Association, Hypertension 誌「Apple Watch for Hypertension Screening」 https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/HYPERTENSIONAHA.125.26031

飲まない夜のほうが、深い眠りにつける・・。毎朝 起床時にApple Watch の記録を眺める事が、僕の「眠り生活」の習慣になっています。

参照元
飲酒と睡眠(少量でもレム睡眠を乱す/27研究のメタ分析)/"The effect of alcohol on subsequent sleep in healthy adults: A systematic review and meta-analysis," Sleep Medicine Reviews, 2024年 リンク
深い睡眠と脳の老廃物排出・認知症リスクの関わり/Matthew Walker らの研究, BMC Medicine, 2023年ほか
Apple Watch の睡眠ステージ計測(Deep/REM/Core/Awake)/Apple サポート リンク
「最も望ましい飲酒量は週ゼロ杯」/Andrew Huberman, Huberman Lab Podcast #86, 2022年8月
薬物の有害性ランキング(アルコールが最も有害、72点)/Nutt DJ, King LA, Phillips LD. “Drug harms in the UK: a multicriteria decision analysis." The Lancet, 2010年11月 リンク
アルコール健康障害対策(「否認の病」について)/厚生労働省 リンク
カリフォルニア州プロポジション65/OEHHA(California EPA)リンク
飲酒とがんに関する勧告/米国公衆衛生局長官(U.S. Surgeon General)2025年1月

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