耳年齢考〜還暦を過ぎたらすべて「加齢性難聴」なのか
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内耳道内脂肪腫摘出と鼓膜再生手術
アメリカに移住して間もなくない20代のはじめ、世界的に有名なロサンゼルスの耳の専門病院 “House Ear Clinic"(a.k.a. The House Institute)で、左内耳の内耳道内脂肪腫摘出と鼓膜再生手術をしました。
当時(1980年代初頭)、脂肪腫摘出と鼓膜再生手術はアメリカでも珍しかったようで、母国日本ではまったく事例がなかった時代でした。
渡米前に診てもらっていた東京の某大学病院の耳鼻科の医師はしたり顔で、「君の鼓膜の穴は、言わば家の窓ガラスが割れているようなもの。雨が降れば水が入る時もある・・」てな、まったくどうでも良いような"ナメた"診断をくだされ、中耳炎になるたびに抗生物質を処方されておしまいでした。
脂肪腫摘出と鼓膜再生手術後の左耳の聴力は親からもらったオリジナルの右耳よりも25%アップし、以来40年間、ハリウッドの片隅で音楽制作を生業として生きて来られました。
耳年齢考〜還暦を過ぎたらすべて「加齢性難聴」なのか
還暦を越えた頃から、Mix時に高音域バランスの設定時に相方のエンジニアとの相違が頻繁にあり、もうすぐR65だから聴力が衰えてると判断。
主治医から耳鼻科の専門医を紹介してもらったのですが、ウィスパールームも無いところで、チープなヘッドホンを使って下のYouTube動画のような大雑把な聴力検査をされた末・・、
御多分に洩れず「加齢性難聴です。イイ補聴器ありまっせ〜」てな感じで、医者なのか補聴器のセールスマンなのか分からないほどに商魂たくましく、5000ドルもする高額な補聴器を推奨されました。
その医師に「自分は音楽制作を生業としていて、どうやら2kから4kあたりが弱っているようなのですが、どうにかなりますか?」との質問にも、「加齢です。そんなに補聴器をするのがイヤなら耳の中に挿入するタイプもありますよ・・」と、懲りない補聴器セールストーク・・。
今の聴力なら、70歳まで仕事が出来そう
補聴器をつけて音楽制作をするようになったら、後進に迷惑がかかるし、そろそろリタイアしちゃったほうが良いのかな?と、思いはじめていたのですが・・、
補聴器セールスマン系・耳医者の診断だけで生業継続の是非を判断されたくないので、セカンドオピニオンを受けようと思い、40年前に左内耳の脂肪腫摘出と鼓膜再生手術をした"House Ear Clinic"にアポをとりました。
昔ながらの精巧なウィスパールームで丁寧な聴力検査を受け、聴力検査の結果、現在の僕の聴力は50歳代の平均でR65にしては上出来。しかしながら、やはり1.5kから4kあたりの聴力が40%ほど失われているとの事。
最終的な診断をして頂いた"House Ear Clinic"のブラックマン医師は「まだまだ仕事は続けられますよ。補聴器もあと5年は必要ありません」との、診断でした。
てなわけで、衰えた具体的な周波数値はEQプラグインの力を借りて目測(目安)で加減しながら、70歳まであと5年と3ヶ月の残された時間の中で、可能な限り納得の行く音源をこの世に残して逝きたいと思っている次第。