銀河鉄道の鈴木大治郎君〜カナダへ永住

先日、故郷カメアリ(亀有)の幼なじみで、高校生フォークロックバンド「銀河鉄道」のメンバーだった鈴木大治郎君が、トーランスにある僕のオフィスまでわざわざ訪ねて来てくれました。
久しぶりに顔を合わせると、あの頃の高校生の表情がそのまま残っていて、何十年という時間が一瞬で巻き戻されるような不思議な感覚になります。ギターを抱えて夢中で音楽をやっていた十代の僕たちが、こうしてアメリカの片隅で再会しているのですから、人生というのは本当におもしろいものです。
大治郎君は、この土曜日にLAを発って、カナダのバンクーバーへ向かいます。飛行機ではなく、クルマで四日間かけての大陸縦断の旅。奥さんの生まれ故郷であるバンクーバー郊外に、いよいよ永住するのだそうです。
新天地での生活に向かう彼の横顔は、不安よりも期待のほうがずっと大きく見えました。長い距離を自分のハンドルで走り抜けていくところが、いかにも大治郎君らしいなと思います。
考えてみると、「銀河鉄道」のメンバーは、いつの間にか世界じゅうに散らばってしまいました。佐藤信彦君は東京。ダバシュー(本田修二)は、フィリピン・ミンダナオ島のダバオ。大治郎君は、これからカナダのバンクーバー郊外。
そして僕は、南カリフォルニアの片田舎です。日本の高校で結成したバンドの仲間が、東京・東南アジア・北米と、地図の上でこれほど見事に広がっているのを眺めていると、思わず笑ってしまいます。
宮沢賢治の「銀河鉄道」さながら、僕らはそれぞれの駅で降り、それぞれの土地に根を下ろしながら、今も同じ一本の線路でゆるやかに繋がっている——そんな気がしてなりません。バンドそのものは遠い昔に解散してしまっても、あの頃に分かち合った音楽と友情は、国境や歳月を越えて少しも色あせることがありません。
大治郎君、カナダでの新しい暮らしが、健やかで実り多きものになりますように。いつかバンクーバーの空の下で、また一緒にギターを鳴らせる日が来ることを、心から楽しみにしています。70年代の高校生フォークロックバンド「銀河鉄道」のグローバル化は、どうやらこれからも着々と進んでいくようです。
