樹木希林さん朗読・詩「最上のわざ」は、老いさらばえていく陰険なクリスチャンの道しるべ・・
大好きな女優、樹木希林さんが亡くなられました。
2012年に公開された「ツナグ」と言う邦画の中で樹木希林さん扮する、渋谷アイ子がいつも口癖にしている下記の詩「最上のわざ」が最後のタイトルの箇所で(希林さんが)朗読されます。
「最上のわざ」
この世の最上のわざは何?
楽しい心で年をとり、
働きたいけれども休み、
しゃべりたいけれども黙り、
失望しそうなときに希望し、
従順に、平静に、
おのれの十字架をになう。若者が元気いっぱいで
神の道を歩むのを見ても、ねたまず、
人のために働くよりも、
謙虚に人の世話になり、
弱って、もはや人のために
役だたずとも、
親切で柔和であること。老いの重荷は神の賜物、古びた心に、
これで最後のみがきをかける。
まことのふるさとへ行くために。おのれをこの世につなぐ鎖を
少しずつ外ずしていくのは、
真にえらい仕事。
こうして何もできなくなれば、
それを謙虚に承諾するのだ。
神は最後にいちばん
よい仕事を残してくださる。
それは祈りだ。手は何もできない。
けれども最後まで合掌できる。愛するすべての人のうえに、
神の恵みを求めるために。
すべてをなし終えたら、
臨終の床に神の声をきくだろう。「来よ、わが友よ、
われなんじを見捨てじ」と。
僕はヘルマン・ホイヴェルス神父様(Hermann Heuvers:元上智大学学長)の随想選書「人生の秋に」に書かれているこの詩「最上のわざ」と、樹木希林さんの朗読に深く感動を覚え、何度も何度も拝聴、拝読したことがあります。
この詩は、これから老いさらばえていく、この陰険なクリスチャンのおっさんの生き方の「道しるべ」だと(当時)還暦心待ちの50代後半、自分の心に刻んだ次第です。
天に召された母国日本の名優、樹木希林さんの平安をお祈りいたします。
Yoshio
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